最近のデジタル機材やマルチエフェクターは本当に便利です。でも、ふとした瞬間にこう感じたことはありませんか?
「音が綺麗すぎる。何かが足りない……」
粒立ちの良い整ったサウンド。けれど、そこには心が震えるような「熱」や「艶」が欠けている気がする。もしあなたがそんな「デジタル臭さ」に悩み、アンプ直のような生々しい質感を求めているなら、このペダルがその悩みを過去のものにしてくれるかもしれません。
今回ご紹介するのは、本物の真空管(12AU7)を搭載した『Beyond Tube Booster 2S』。
足元にこれを一台繋ぐだけで、平坦だったギターの音が一変。芳醇な倍音と「色気」を纏った「極上の生音」へと進化します。なぜこのブースターがギタリストの感性を刺激するのか、その実力を徹底レビューします。
「Beyond Tube Booster 2S」の特徴
内部電圧100V駆動が生み出す「本物のチューブサウンド」
このペダルの最大の特徴は、一般的な9V電源を使用しながら、内部で100Vまで昇圧して真空管(Electro-Harmonix社製 12AU7)を駆動させている点です。 電圧を上げることで、真空管本来のポテンシャルをフルに発揮。シミュレーターでは決して再現できない、ピッキングに吸い付くような**「粘り」と、耳に心地よい「コンプレッション感」**が手に入ります。
デジタル特有の「冷たさ」を「有機的な温かみ」へ変換
マルチエフェクターやデジタルアンプを使っていると、音がどこか平面的で「冷たい」と感じることがあります。 Beyond Tube Booster 2Sを通すと、真空管特有の「偶数次高調波」が音に加わります。これが人間の耳には「心地よい響き(艶・色気)」として認識されるため、デジタルの硬さが取れ、まるで高級チューブアンプを鳴らしているような有機的な質感へと変化します。
「常時ON」で魔法をかける。最強のサウンド・アップデーター
このペダルは、ソロで音量を上げるためだけのブースターではありません。ゲインを最小付近に設定すれば、原音のキャラクターを壊さずに「音に芯と太さを与えるバッファー」として機能します。 「JC-120(ジャズコ)」などのトランジスタアンプの前に繋げば、特有の硬さが取れてマイルドに。一度その音を聴くと、二度とOFFにできなくなる中毒性があります。
圧倒的なローノイズ設計と解像度の高さ
真空管機材=ノイズが乗りやすい、というイメージを覆すのが「2S」モデルです。 前モデルから回路を再設計したことで、驚異的なS/N比(低ノイズ)を実現。ノイズに敏感なレコーディング環境や、ハイゲインな歪みペダルとの組み合わせでも、クリアで解像度の高いサウンドを維持したまま、音圧だけをグッと持ち上げることができます。
唯一無二の存在感。「真空管が光る」スチームパンクなデザイン
エフェクターボードの中で、ひときわ異彩を放つのがそのルックスです。 剥き出しの真空管がLEDで青く(またはオレンジに)照らされる様子は、ライブステージでも抜群に映えます。単なる音響機材としてだけでなく、「自分のトーンにこだわりを持つギタリスト」としての象徴にもなる、所有欲を満たしてくれる一台です。
Beyond Tube Booster 2Sは「どこに」繋ぐのが正解?
このペダルは、接続する位置によって役割がガラリと変わります。あなたのプレイスタイルに合わせた3つのパターンをご紹介します。
パターンA:ボードの「先頭」に置く(バッファー・最高の下地作り)
ギターから一番最初に繋ぐ方法です。
- 効果: ギターの信号を真っ先に真空管に通すことで、ピッキングレスポンスが向上します。
- おすすめ: 「パッシブピックアップの細い音を太くしたい」「ピッキングの強弱をより繊細に表現したい」という方に最適。後段に続くエフェクターすべてに真空管の恩恵を与えられます。
パターンB:歪みペダルの「直前」に置く(ゲインブースター)
お気に入りのオーバードライブやディストーションの前に置く方法です。
- 効果: 歪みペダルへの入力レベルを上げることで、歪みの密度が濃くなり、サステインが劇的に伸びます。
- おすすめ: 「ここぞというソロで、音をグッと前に出したい」という時。デジタルエフェクターの歪みに「アナログの粘り」を足したい場合にも非常に有効です。
パターンC:ボードの「最後段」に置く(トーンフィニッシャー)※一番おすすめ!
すべてのエフェクターの出口、アンプの直前に置く方法です。
- 効果: 複数のペダルを通って痩せてしまった音を、最後に真空管の力で蘇らせます。マルチエフェクターの後に繋ぐのもこのパターンです。
- おすすめ: 「デジタルの硬さを取りたい」「JC-120(ジャズコ)をチューブアンプのような質感に変えたい」という方。この位置で常時ONにすることで、システム全体がワンランク上のサウンドにアップグレードされます。
「Beyond Tube Booster 2S」の主な仕様
| 項目 | 詳細内容 |
| 搭載真空管 | Electro-Harmonix 12AU7 (高品質・高信頼性) |
| 内部駆動電圧 | 100V (9V入力を内部で昇圧し、真空管本来の特性を再現) |
| コントロール | Volume (音量調整・ブースト量) |
| フットスイッチ | トゥルーバイパス仕様 (OFF時の音質劣化を最小限に) |
| 電源 | DC 9V センターマイナス (標準的なエフェクター用電源) |
| 消費電流 | 約180mA〜200mA (パワーサプライの供給容量に注意) |
| 入出力端子 | 1/4インチ モノラル・ジャック (INPUT / OUTPUT) |
| 外形寸法 | W 60mm × D 112mm × H 63mm (一般的なコンパクトペダルと同等サイズ) |
| 重量 | 約 230g |
あなたのトーンを完成させる「最後の一片(ピース)」
これまで「Beyond Tube Booster 2S」の魅力についてお伝えしてきましたが、一言で表すなら、このペダルは単なるブースターではなく**「ギターの音に生命を吹き込むデバイス」**です。
どれほど高価なデジタル機材を揃えても、どこか物足りなさを感じていたのは、真空管だけが持つ「あの有機的な熱量」が欠けていたからかもしれません。
このペダルが向いている人・向いていない人
最後に、あなたが手に入れるべきかどうかを整理しましょう。
- こんな人には絶対おすすめ!
- マルチエフェクターやシミュレーターの音を「もっと生々しく」したい。
- ライブハウスのジャズコ(JC-120)を「極上のチューブサウンド」に変えたい。
- ピッキングの強弱で、もっと表現力豊かなプレイをしたい。
- 足元に「真空管が光る」というロマンが欲しい。
- こんな人には向かないかも…
- 音色を一切変えずに、ただ音量だけを上げたい(クリーンすぎるブーストを求めている)。
- 消費電流の多いペダルをボードに入れたくない。
最後に:良いトーンは、弾き手のモチベーションを変える
ギターの音が良くなると、いつものフレーズを弾くのがもっと楽しくなり、練習やライブへの没入感が変わります。
『Beyond Tube Booster 2S』がもたらすのは、数値化できない**「色気」と「弾き心地の良さ」**です。一度この「極上の生音」を体感してしまうと、もうこれ無しのボードには戻れなくなるはず。
あなたのギターライフに、本物の真空管の輝きをプラスしてみませんか?その一歩が、理想のトーンへの最短距離になるかもしれません。

